根管治療
あなたが今お読みになろうとしているこの小冊子は、あなたの歯科医師,又はエンドドンティスト(歯内療法専門医)があなたに根管治療(根の治療と言われたかもしれません)をする必要があると言われたので、それの説明のためにこれを読むことを勧められたせいでしょう。もしも、そうであるならば、あなただけではありません。千四百万本以上の歯が毎年あなたが受けるであろうと同じ治療を受けています。根管治療を受けるのを決心したと言うことはあなたはその歯を保存して、あなたの天然歯を健全な基盤としてこれから何年となく、咀嚼のために使えるようにしようとしています。
もしも、あなたが、根管治療(または、根の治療)を一度も受けたことがないか、又は、ずっと昔にやったけれど、近年の治療は、どのように変わっているか、という質問もあるかと思います。
この小冊子はそういう疑問にお答えして今日のエンドの治療がどのようにしてあなたの大切な歯を救うかを説明しています。それでもまだ、疑問な点はあなたの主治医の先生にお尋ねください。
誰が根管治療をするのでしょうか?
全ての歯科医が歯学部で根管治療の訓練を受けています。一般歯科(専門が決まっていない)医師は根管治療をするだけでなく、歯科全般の治療を施すことが出来ます。しかし、症例によっては、しばしば、一般歯科医は専門的に訓練を受けているエンドトンティストに患者を紹介します。
エンドドンティストは、根管治療を専門にトレーニングされた専門医です。ですから、根管治療に関連した治療のみをするのです。この専門医になるために彼らは、規定の歯学部の学びの後に、2年ないしそれ以上の訓練をエンドに集中してトレーニングを受けます。それゆえに、彼らは、通常の根管治療だけではなく、難症例や、エンド的外科手術などにも対応出来るのです。
それだけではなく、エンドドンティストは診断が困難な口腔、顔面の痛みの診断の経験に富んでいます。
根管治療って何?
英語では、根管治療をエンドドンティクトリートメントと言いますが、エンドはギリシャ語で中、オドントは歯という意味ですから、根管治療は歯の中を治療するという意味になります。
根管治療を理解するためには、まず、歯そのものの解剖を知っておくのが、助けになります。
まず、歯の一番外側から、エナメル質、その内側に象牙質という二重の硬い層があり、一番中心部に歯髄とよばれる軟組織があります。
歯髄は歯冠部から、根の先端部までのび、さらに歯根を取り囲んでいる組織に結合しています。歯髄は歯の成長発育に重要な役割を果たします。しかし、歯が完全に形成されたならば、歯は歯髄がなくても、生存が出来ます。それと言うのは、歯は、それを取り囲んでいる組織から栄養を供給されているからです。
どうして私は根管治療が必要なのでしょうか?
根管治療が必要になるのは、歯髄が、炎症、又は感染を起こした時です。炎症や、感染は、様々な原因から引き起こされます。例えば、深い虫歯、歯牙に繰り返して加えられる歯科的処置、歯牙破折、亀裂などがそれです。見えるような亀裂や欠損があるわけではない歯でも、歯牙に空気を吹き付けられてそれが歯髄にダメージを与えるときもあります。
もしも、炎症、感染がそのまま、放置されていると、それが、歯痛になったり、アブセス(膿瘍)になったりします。
歯髄がダメージを受けているというサインは痛み、冷、温刺激に対しての持続性の過敏症、歯の変色、歯肉の脹れや、敏感な感触などですが、時としては、痛みはぜんぜん伴わないというのもあります。
根管治療はどのようにして歯を救うのでしょうか?
エンドドンティストは感染、炎症をしている歯髄を除去して、歯の内部を注意深く清掃、形成して、その後、その部分を充填物で封鎖します。それが終わったら、あなたは、あなたの主治医のところにもどって、クラウン、または、永久充填物を入れてもらい、完全な機能を回復するようにします。ここまでの一連の治療が終了すれば、その歯は他の歯と同様に機能するようになります。6-7ページに詳しく段階を追ってその説明がありますので、お読みください。
処置をしてもらっている間に痛みは感じるのでしょうか?
多くの歯内療法的処置は歯髄の炎症や感染が原因で生じる歯痛を取り去るために行われます。近代的技術と麻酔によって、ほとんどの患者さんは、治療中の痛みを感じることがないと報告しています。
治療後数日はあなたの歯は敏感になっているかもしれません。それは、術前に痛みがあった場合とか、感染していた歯の場合には、特に可能性があります。この痛みには、店頭で買える痛み止めの薬,または歯科医師から処方を書いてもらう処方箋薬で対処できます。あなたのエンドドンティストの術後に関する注意事項に従ってください。
あなたの歯はもしかしたら、根管治療を終了した後にも他の歯牙と違って感じることがあるかもしれません。もしもその痛みが痛烈であったり、圧迫痛が数日しても取れない時には、あなたのエンドドンティストに連絡してください。
根管治療処置
根管治療は通常一、ないし二回のステップで行われます。以下がそれです。
歯を検査して、レントゲン写真を撮り、局所麻酔を行います。歯が麻痺したら、エンドドンティストは処置をする歯にラバーダムというゴムで出来たシートをして歯を隔離します。それは、処置中唾液からの雑菌が処置歯に入らないようにするためです。
歯の歯冠部を開口させます。大変に小さな器材を使って、エンドドンティストは歯髄のスペースを形成拡大していきます。
形成拡大が終了した歯は、根管充填が出来るようになります。充填物は生物学的適合性がある物質で、通常はゴムのような物でガッタパーチャと呼ばれる物質です。ガッタパーチャは、接着性セメントと併用して使うことによって根管内のスペースを完全に充填することが出来ます。次には歯冠部の開口部分を、仮充填物で封鎖します。この仮充填物はあなたの歯科医によって、歯が修復される前に除去されます。
エンドドンティストでの治療を全て終了したら、あなたの歯科医に戻ってクラウン又は、その他の修復物を入れてもらい、それによってその歯の機能が完全に回復します。
もしも、歯が修復物を入れるのに十分な構造ではない場合には、あなたのエンドドンティスト又は、歯科医は歯の中にポストをいれるかもしれません。あなたの歯について特定の修復物を入れる計画がある場合は、それについてはあなたの歯科医、又はエンドドンティストに聞いてください。
処置はいくらぐらいかかるのでしょうか?
コストは、どれだけ問題があるか、それとどの歯であるかによって、違いがあります。臼歯は治療がより困難なので、コストもかかります。ほとんどの歯科保険は根管治療をカバーしてくれます。
一般的には根管治療と修復物を入れるためにかかる経費は歯を抜去して、インプラントを入れたり、ブリッジをかけたりするよりも、少なくてすみます。歯を抜いてしまったら、噛む機能の回復のためと、隣接した歯が移動しないためにインプラントやブリッジが必要です。これらにかかる費用はエンドと修復物を入れるやり方より費用もかさむ傾向にあります。
処置歯は術後に特別なケア又は、追加的治療というのが必要なのでしょうか?
処置をしてもらった歯は、あなたの歯科医師が修復物を入れるまでは、その歯で物を噛んだり、噛み切ったりするのをなるべく避けた方が良いでしょう。永久的な補綴物が入らない前の段階では歯が破折しやすいので、根管治療を受けたらなるべく早くに完全な修復物を入れるように努めてください。
永久的修復物の装着が終了したら、後は、歯磨き、フロス、それに加えて定期的な検診と、歯石取りなどで歯科衛生を良く保つようにすれば良いのです。
大多数の根管治療した歯は他の天然歯と同じくらい持ちます。まれには、根管治療をした後でも痛みがなくならなかったり、治癒が起こらなかったりということはあります。場合によっては、根管治療を受けた時は成功していたのに、数ヶ月後、数年後に痛みや疾患が再発するという事もあります。その時はしばしば、再根管治療をしてその歯を救う事が出来ます。
根管治療を受けたのに、追加的な治療が必要というのはどういう原因の時でしょうか?
新たな外傷、深い虫歯、充填物が、合っていない、ひびが入っている、割れているという場合にはたな感染が起きます。再治療の場合、症例によっては、エンドドンティストは、根管内が非常に狭窄していたり、湾曲していたりして、初期治療の時には、治療出来なかった部分を発見するかもしれません。
全 ての歯は根治療で治療出来るのでしょうか?
大抵は治療出来ます。ただし、歯は、根管が開けられない、ひどく破折している、歯を支える骨が十分でない、歯が修復不可能、などである場合には、保存出来ません。しかしながら、今日のエンド治療は数年前では救えなかったような歯も治療可能になって、素晴らしい進歩をとげています。そして、根管治療が効果がない時には外科的エンド手術で歯を救う事ができるかもしれません。
外科的エンド手術とは何でしょうか?
最も共通な外科的エンド手術は、根端切除術、又は歯根端切除と呼ばれるものです。炎症や感染が根管治療をした歯根先端部周囲の骨組織に存在する場合にはエンドドンティストは,根端切除術をするかもしれません。この処置では、エンドドンティストは、歯に近い歯肉組織を切開してその下にある骨を露出させます。それから、感染している部分を取り除くのです。歯根の最先
端部も切除して、根管を封鎖するために、小さな充填物をつめます。局所麻酔のおかげで、処置中は痛みはありません。そして大半の患者さんは手術の翌日から正常な活動が可能です。
エンド治療の他にはどんな治療がありますか?
歯の歯髄がダメージを受けた場合には、エンド治療をしない場合は、歯を抜くことだけが、他の方法です。咬合の機能を回復させる事、そして、隣接した歯が移動しないように防ぐことの為には、歯を抜いた場合には、その場所はブリッジか、インプラントかによってふさいでやらなくてはなりません。これは、外科的処置や、隣接歯が健康であってもそれを削ったりしなくてはなりませんので、歯に根管治療をして修復物を入れるというのに比べて、コストもかさみ、かつ時間的にも長くなります。
どんなに近代的歯牙の置き換えが効果的になろうとも—そしてそれは確かに効果的ではありますが—天然歯にまさるものは、何もありません。
もっと詳しい情報は。
もしもエンド的治療についてもっと詳しい情報がほしい方は、あなたのエンドドンティストが喜んであなたとお話するでしょう。
アメリカ歯内療法学協会は、歯内療法の科学と技術の両面で卓越することを捧げ、患者さんへのケアにも最高の基準をおいています。協会は会員を鼓舞激励し、専門的な進歩を追求し、教育、研究、支持、リーダーシップ、伝達、奉仕などを通して個人レベルでの充足をはかるようにたゆまぬ努力をしています。